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ol980 アダナ・キリム |
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一般的なアナトリアのキリムとは趣が違い、大らかなデザインがユニークなキリム。 シワス風のメダリオンが置かれていますが、縦方向に二列(真ん中を含めると三列)の大きななメダリオンになっていて、巨大な列柱が文字通り柱になっています。 これとよく似たデザインのエミルダーでは、小さなメダリオンを幾重にも織り込む事から、系統は同じでも他の土地の産だと推察できます。 そして、遊牧民系キリムに共通の、細身で長いサイズではなく、長さはそこそこに少し幅があるキリムです。 それにも関わらず、横のボーダーを廃し、メダリオンを限りなく大きく描くのですから、悠々、伸び伸びとした面持ちが一杯。 産地を特定するのに有力な下部のボーダーには、コートを羽織った様な独特のベレケット、上端にはこれと全く違う足かせとイヤリングの複合模様があります。 左右のボーダーに引かれたオレンジのギザギザは、このキリムの醍醐味でもあるメダリオンとのせめぎ合い部分でもあり、ここをどう処理するかは織り手の腕の見せ所。 左右の端のギザギザに接触しないよう赤いメダリオンを収めながらも、一部が接触しているのは、意図したものか?、仕方なくそうしたのでしょうか? いずれにしても、ここで苦心した様が見て取れます。 色彩面では、白と黒(こげ茶)のコントラストを生かしたフィールドカラーの中に、コントラストの映える赤色を用い、メリハリが効いて、少ない色彩でも美しく見せられるよう、考え抜かれた伝統の技。 無論、赤色は茜由来の天然色、ブラウンは染めた色ではなくて、無線色のブラウンウール。 オレンジは化学染料の可能性が高いものの、全体的に余り退色していない色合いなので、一体となって、当時の面影をよく残しています。 最後に、産地を一考してみます。 このキリムの基調にあるものは、遊牧民系キリムに特有のもの、ブラウンのウールや山羊の毛をミックスした経糸、全体的なデザイン構成といい、ムットに似た特徴が感じられます。 ただ、真ん中に中心線が走るようにポイントを置いた少し精巧な構図、そして、ムットとは違うメダリオン模様から、ムットに近いトロス近郊の産と推察され、個々の色合いとデザインからアダナが導き出されます。 太めの経糸にこれまた太めの緯糸を使い、ややざっくりとしていますが織り目は詰まっていて、割と重量感・ボリューム感がある丈夫なキリムになっています。 実用的な敷物としてお使い下さい。 |
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