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om856 エシュメ・キリム |
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美しいデザインとフォルムを持つお祈り用キリム。 基本的な構造は、エシュメの伝統的なスタイルを踏襲していますが、細長いサイズのエシュメと違い、これは小降りで幅のある「チネ」タイプのエシュメ。 まず、産地を現す事の多いボーダー部、横のボーダーはエシュメにお馴染みのベレケット模様。 でも、その背面は著しい色むら、色変わりが施され、隙間にはクレイジーなくらいのジジム。 上下は分割方式のボーダーが置かれ、この狼の口は、アイドゥン地方のキリムによく見られるもの。 二番目のボーダーは、激しい色むらの上にフック模様とイヤリングが連続する珍しいデザイン。 ミフラブ本体は、生命の木がデンと腰を据えたスタイルで、握り拳状のものと指の長いパルマクルが交互に伸び、規則正しいエシュメに少しアイドゥンらしさが垣間見えるくらい。 ユニークなのは真ん中付近の経糸、このブラウンウールが混在しているのは、アイドゥン風。 それも、牧歌的なタイプではなく小綺麗に整っているのはチネ。 なるほど、エシュメには控え目な色むらが過激に現れているのは、チネの影響なのでしょう。 目を惹く真っ赤なミフラブ本体は、周囲の過密な装飾とは対照的に、割と隙間を多く取った緑の生命の木が厳かな様子で伸びています。 これには未婚の若い女性が織ったキリムのような模様が一杯織り込まれていますが、そのスキルはとても高く、かなりの熟練の業が見られる事から、腕の立つ者に習いながら織ったか、もしくは、外注したキリムを娘に持たせたのかも知れません。 |
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