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om993　デニズリ・キリム

産地	デニズリ　DENIZLI KILIM
年代	１９４５～１９５０年頃
大きさ	１５０＊１１１cm
価格	７８，０００円

西アナトリアを代表する色合いとデザインのキリム。
デザイン上の特徴から、デニズリ方面の産である事は一目見て判りますが、ギザギザメダリオンだけのデニズリとは違って、これは大きなドラゴン／スコーピオン模様を描いています。
上下のボーダーの模様といい、シルワンを小さくしたかのような印象すら覚えます。
色合いについても、単調なデニズリの色合いというよりも、マニサ県、サリフル辺りの特徴が少し入っているようです。
また、艶やかで良質なウールが使われ、房まで艶々で、その編み込みの様子、そして、小さな幅広のキリムはアイドゥン県の中でもチネに似ている所があると感じます。
ちょうど、北のサリフル、南のアイドゥンそれぞれを貫く国道が交わって一本になるのがデニズリの手前、きっと、この辺りに住み着いた部族が、近隣の土地の影響を受けてこれを織ったのでしょう。
デザイン上の特徴は、この小さめサイズのキリムだと言うのに大きなドラゴンメダリオンを二つ、それも、横のボーダーを廃してまで、目一杯フィールドを広くとって描いている事。
そして、上下のボーダー部には、それとは対照的に細やかな模様を密に配置。
上と下のボーダーでは模様と配列が違い、下にのみ黒地に菱形の目の模様を置いてある部分は、何かの目印なのか、中央付近が赤色。
このサイズのキリムですから、きっとお祈りに利用する際に上下を間違えないよう、目立つ赤色を使ったのでしよう。
そして、暗闇でも感触で分かる様に、上端には絨毯様の飾り。
お祈り用兼用キリムという事で、これくらい見事な力作に仕立てられたのだと思います。
画像をご覧のように、割と派手な色遣いながら余り嫌みが無いのは、そこそこに年代があって、これは自然に退色した色合いを持っているため。
艶があるせいか、キリム自体が美しいと感じられ、壁に飾りたくなる程です。

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