キリムの店*キリムアートアトリエ |
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r47 |
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表面より裏面の退色が進んでいます。 蜂の巣模様のレイハンル。 古いキリムなのに真新しく感じる程使用感がありませんが、僅かばかりの修理にも経糸が入らないと、(一流の)修理人から文句が出る程、織り目が堅く締まっています。 全体的に割と色彩のコントラストがハッキリとしていて、特に白い部分はそれを際立たせるようにコットンが使われている事等から、ハタイで織られたものと思われます。 同じ様な蜂の巣模様はアダナ、マラティア、マラシュ等各地で織られていますが、このレイハンルはそれらとは趣が違い、下手な愛嬌等必要ないと言わんばかりの精巧・緻密さが特徴。 小さな階段状の菱形に仕切られたデザインは、斜め方向の規則性も考えなければならず、織り進めるだけでも大変な労苦、この長いサイズのキリムを上手く仕上げるのは至難の技。 また、染めむらお構いなしの遊牧民キリムの風の色彩が敬遠される土地柄と時代背景もあり、故意の色むらを除き、後々、退色が進んでもむらが出難い様に均一的な色彩に染められているのも職人気質さが伺える要素の一つ。 均一の色合いに染める事が難しい緑色のアレンジの仕方も、一つの見所です。 なお、これにはピンクっぽい色彩がアクセントとして上手く使われています。 このピンクは化学染料ではなく、赤い色彩のトーンを変えて染められたものです。 おそらくこの織り手は、高度な技術を習得しているものの、工房の様な専門家ではなく、技量の高い娘さんが雇われたか、何かしら専門的な素養のある者が協力したのではないかと思います。 チフカナットの左右のキリムは、かなり模様が似通っていて、一見して同じ人によるものかと思えますが、良く見るとボーダーのベレケット模様等少し癖が違います。 もっとも、これはほとんどのチフカナットで見られるレベル、例え職人によるものであっても微妙に異なるものです。 対して、フィールド下部に突き出た白い羊の角の模様は、左は8つなのに右は6つ、でもこれは故意の変調なので、上端は左右とも同じ5つと半分。 また、このレイハンルもかつてヨーロッパに輸出されていたものの逆輸入。 個人の邸宅でベッドの天蓋などの室内装飾に使われていたと思われ、丁度、窓越しのゆるい太陽光が裏面に当たっていたのでしょう、天然色ですが、長い月日の内にほのかに裏面の退色が進んでいます。 その際、何かに留めていた形跡と思われる綿糸が一部に残っていました。 お陰で、使い込まれているのが当たり前の古いレイハンルなのに、房一つまで欠ける事なく現存しています。 状態が良く、日常生活で汚れる事で古く見えるという作用がありませんから、若いキリムの様に感じますが、オールドのキリムには出せない色ばかりです。 |
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