キリムの店*キリムアートアトリエ |
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ci187 フェティエ |
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フェティエのジジム。 定番のデザインながら、配色と品質の点でひと際優れたもの。 ではなぜ、このようなジジムが織られたのでしょう。 フェティエのあるエーゲ海沿いは、トロス山脈を作り上げた地殻変動によって生まれた歪みにより延々と山並みが広がっています。 幸いな事に、大陸性気候の雨の少ない中央アナトリアと違い、地中海性気候の西海岸は秋口からよく雨が降ります。 グーグルマップで、沿岸部に森林地帯が広がっているのが確認できます。 その中の勾配の緩やかな土地の何処かで、脈絡とこれらキリムや絨毯が織られていたと思われます。 そして、それらが積み出された港の名前がフェティエだったので、そう呼ばれるようになったという訳で、実際には集落毎にキリムや絨毯がありました。 今となっては知る術はありませんが、上下のボーダー部は、アンタルヤの山間部のキリムと共通するものがあるので、この辺り一帯に居住していた部族だろうという事までは推察出来ます。 サイズ的にお祈り用と思われます。 お祈り用が全て優れているわけではありませんが、今、私の在庫を振り返ると、確かに一つの要因だとは思います。 その定番のデザインは、四角い画面に四角い2つの大きな窓を置き、上下どちらから見ても同じ様にできています。 下の方が末広がりになっているので、織り始めは上側、色むら加減と言い、フィニッシュが色とりどりで遊び心も感じられます。 いずれにしても、こうする事で、不用意な余白を作る事なく、隙間を埋めやすいメリットがあります。 そのフィールド背面は配色を変える事でジグザグ模様を演出、ボーダーにも見事な流水模様が描かれています。 余り精巧過ぎると制作者も感じたのでしょうが、適度に愛嬌も表現されていて、まるで手間暇かけて作る苦労を好んで行ったと思える程です。 もしかすると、婚姻の際の持参品かもしれません。 異常な程に情熱を注いだ理由が他に思いつかないからです。 色合いでは、濃厚な赤色は茜をふんだんに使って染められており、二番染めの糸でもまだ十分に赤い位。 その色むら加減もこの制作者が狙ったものだと思います。 サイズ的にも壁飾りとしても見栄えがするでしょう。 |
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