キリムの店*キリムアートアトリエ |
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ex58 レイハンル・キリム |
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精密に織られた色美しいレイハンル。 中心部に櫛/箪笥模様のメダリオンを配し、その隙間に小さな模様を埋めるスタイルで構成されており、一見して、遊牧民タイプの様な華美なイメージを受けます。 しかしもう少し精査して見ると、変形を伴った作為などが殆どなく、きちんと計画的に織り進められた精巧派のタイプだと分かります。 時折見かける薄さを追求するタイプとは違い、敷物としての耐久性も考慮に入れて制作されており、経糸、緯糸とも太さはレイハンルとしてはごく普通のレベル。 ただ、良質なウールが選別されたのでしょう、キリムは発色が良くとても艶やかで、このキリムを美しく彩るのに重要な役割を果たしています。 当然、織り始める前には、この大きさのキリムに必要な膨大な分量の色糸を用意します。 何度も染め上げて出来た糸は色むらがあって当然ですが、このような技巧派のレイハンルでは、過度に色むらが出ないよう色を落ち着かせてあり、とても100年以上前の手仕事によって染め上げた色合いには見えません。 天然色がギラギラした色むらお構い無しのものも、それはそれで綺麗ですが、この手のレイハンルでは好まれません。 その為、色の違いは左右のカナットごと、ブロック単位で上手く用い、マラティアの様に至る所が色むらにはなっていません。 フィールドの赤はアダナに多い暗い赤ではなく、レイハンルらしいローズレッド。 ボーダーの背面は白抜きで、それにマッチする気持ち淡い目のベレケット模様が全体と良くマッチしています。 染め上げたままの濃い色彩の場合、後々に色の変化により色むらとなる事があるので、その危惧も踏まえた上でこの色彩が染め上げられたのでしょう。 織りについても相当な腕利きの職人又は熟練した者が制作に当たったと思われ、過密な模様配置で下手をすれば目障りになるかもしれない所を、整った表情の複合模様を上手くまとめ、全体のバランス、色柄の配置と言い実に見事。 残念な事に、このレイハンルは、遥か以前にヨーロッパに輸出された際、オーナーが使い勝手の良いサイズにする為、上端のボーダーが切り落とされてしまっています。 |
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