キリムの店*キリムアートアトリエ
【Kilim Art Atelier】 キリムと絨毯販売
こだわりのキリムで作ったバッグや
クッションカバーも取り扱っています。
キリムの店*キリムアートアトリエ
HOME | お取り引き
について
| 配送方法
と送料
| お支払い
について
| Q&A オーダー
フォーム
お知らせ サイト
マップ


ex65 バクティアリ・絨毯

産地 バクティアリ CHAHAR MAHAL BAKHTIARI
年代 1920年頃
大きさ おおよそ300*200cm


バクティアリの大判絨毯。
今年の5月初め、マラティアに行った際、私のほぼ専属修理人となった方が所有していました。
一目見て気に入りましたが、何分、大きいので一日考えた後に値切り交渉の上、買い取りました。
サイズは、現地で計測した時、縦が300+10cm位、横に200+5cm位だったと記憶しています。
障害物さえなければ、6畳間でも敷き詰める事が出来ます。

現在、この絨毯はイスタンブルにあって、日本への発送前の最終段階にありますが、もう少し時間が掛かりそうです。
これが届いてから撮影して掲載するのでは、いつお披露目できるか分かりません。
丁度、寒くなってきた今日この頃なので、先行してご紹介する事にしました。
もし購入を検討頂ける場合は、先ずご予約下さい。
予約なので気軽にキャンセルして頂けます。
何より、この大きな絨毯は一生物となる事から、家族会議が必要になるかもしれませんが、それに相応しい逸品です。

さてこのバクティアリ、太目のパイルがやや長めにカットされており、非常にフカフカです。
パイルが長い理由の一つは、保温性を確保する必要性があった事に加え、使用されていないので、擦り減っていない事が影響しています。
その為、重量がかなりありますが、敷いてしまえば、この上で走り回ろうがビクともしません。
分厚い絨毯と言えば、彼らの親戚でもあるカシュカイのギャベが思い当たります。
いろいろなグレードがあっても、ギャベは、単に太いパイルを結んだだけ。
対して、このバクティアリは絨毯に使われるもう少し細めのウールに撚りをかけてから結んであります。
こうする事で、絨毯の表面でパイルが広がり密なパイルになります。
半面、裏面のパイルの並びを見ると若干、隙間が空いているように見えますが、これはバクティアリの伝統的な手法です。

少し話は脱線しますが、バクティアリの人達はルリ/ロリ族の末裔で、主な居住地はカシュガイの人達と同じファールス地方、春には夏の宿営地に、秋には冬の宿営地に移動します。
ルール族とは遊牧民という意味になります。
チャールマハール州は豊かな天然資源に恵まれ、この州の西部は放牧に、東部が農耕に適していた地域です。
ただ、この絨毯が遊牧民によって織られたものなのか、それとも、農耕に従事する部族なのかは分かりません。
余談ついでに書きますと、譲ってくれたマラティアの修理人は、このバクティアリの事をトルコ語で「幸福なもの(絨毯)」といった表現をするので、不思議でした。
彼の思い入れが強いので、そういう表現をしたのだと解釈していました。
後で、ウィキペディアで調べると、次のような記述がありました。
バフティアリという用語は、「幸運の同伴者」または「幸運を運ぶ人」と訳すのが最も適切である。
この用語はペルシア語に深いルーツを持ち、2つの小さな単語bakhtとyarを組み合わせた結果である。
Bakhtはペルシア語で「幸運」を意味し、yar、iar、iari は文字通り「仲間」を意味します。
本題に戻します。
このバクティアリの一番の魅力は、そのデザイン性と色合い。
デザインの素晴らしさは、真正面からよりも、少しオフセットして、横からみた時により如実に感じられます。
ペルシャ絨毯の様な人間業とは思えない精巧さではなく、ある程度手織りらしい味わい、僅かな不整合さが
加味されている所為でしょう。

庭園模様のバクティアリでは生命の木や花柄などが描かれた華美な色彩となる事から、しばしばその背面には
ブラウンや白が使われます。
ところがこれは、少し暗めの赤色と外延部にはバクティアリに珍しい青色を使う事で色調のバランスを取り、
フルカラーを実現しています。
フィールドは正に天国を模したような雰囲気。
バクティアリの良し悪しは、この生命の木の出来具合を見れば大体判別でき、枝葉が生き生きと描かれている
ものが良品です。
そして、その庭園をより大きく見せる為か、中央のメダリオン模様は、限りなく大きくスペースを取り、外延は
ボーダーに埋没するほど。

ボーダー部には、通例、良くも悪くも流水模様の控えめな花柄が使われますが、このメインのボーダーには
直線的で大きな花柄をボンと置いてあります。
花模様は豊穣を意味する事から、より豊かな恵みが持たせされるようにとも考えられますが、これはメインの
花柄と同じくらい巨大です。
流石に細い補助ボーダーには流水を置いてありますが、メインの太いボーダーは、細い直線的な線で繋げてあります。
仮説ですが、巨大な花柄は家族の結び付きを象徴するものとして子孫繁栄を願った物かもしれません。
こういったイメージを膨らませることが出来るのも古い物ならではの魅力。

これだけでも十分に魅力的な上に、このバクティアリは殆ど使われていないので、下端にはキリムの編み込みが
オリジナルのままに残っています。 (上端は覚えていません。)

色合いは勿論、総草木染め。
バクティアリの判別には、ウールの良し悪しも重要で、良質な物は高くそうでないものはそれなりの価格になります。
良質なウールが使われていれば、カシュカイの良いキリムがそうであるように、絨毯の表面に輝きが生まれ、
色艶が良くなります。
これはご覧の通り、天然色が当時のままに残っているので、色鮮やかですが、その事が、品質保証でもあります。

バクティアリには珍しい深い藍色が外延部に使われ、少し暗めの色調であり、不思議と落ち着いているので、
和洋を問わず日本の家庭に馴染む事でしょう。



戻る
当サイトの写真・文章・他、すべての情報の無断複製・転用をお断りします。
Copyright © 2023 Kilim Art Atelier. All Rights Reserved.