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fc11 マラティア・キリム |
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とても彩り鮮やかな配色が魅力的な、マラティアのアンティークキリムです。 とにかく色目の多いキリム、この年代のキリムが持つべき色をすべて持っていると言って過言ではないくらい、織り糸を頻繁に交換することを煩わしいとはこれっぽっちも思わないどころか、むしろ楽しんで織り、美しく飾り立てられた御姫様のようです。 とかく、手間暇を惜しんで安く仕上げることだけが至上目的の新しいキリムの対局にあるようです。 このマラティアは、古い時代の時の流れが、そのまま現代に持ち込まれたよう、工業化された身の回りの品物とは縁のない、古い時代の産物です。 中央のマラティアのベレケットメダリオンの白いフィールドには、他の2つに使われた星模様とは異なり、狼の口のある豊穣のサインが、これでもかと豊かな彩色で織り込まれています。 また、ボーダーとメインフィールドの境目、ジクザクの櫛模様には、これまた頻繁に色を交換する念の入れようはさすが。 小さな所までも、その徹底した仕事ぶりに喝采しましょう。 最後の画像は、織り手がその技量を試したものなのか、この一部だけ、メダリオンが全体にずれた構造になっています。 マラティアのアンティークは大方が薄手のものですが、こちらは経糸が太めなこともあり、アンティークの中では敷物として使えるくらいの厚みがあります。 微妙な天然色を画像で再現しようと、日陰やほんの少し薄日の差す状況下で撮影していますが、実物の質感はこれら以上に素晴らしい落ち着いたものです。 |
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