キリムの店*キリムアートアトリエ
【Kilim Art Atelier】 キリムと絨毯販売
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fc168 カラプナル・キリム

産地 カラプナル karapinar kilim
年代 1870年頃
大きさ 429*148cm
価格 お問い合わせ下さい


コレクターから譲り受けた古いカラプナル。
実はこれ、仲介をしてくれたキリム屋が凡そ20年位前に、自分の顧客に販売したキリムでした。
かつてイスタンブルでトップクラスのディーラーにまで上り詰めた彼でしたが、災難続きで、店舗も自宅も借金のかたに取られ、堕ちるところまで落ちました。
そんな状況で高額な品物を仕入れる事は出来ませんから、中間手数料を得る目的でコレクターから借り受けてきたという訳です。

また、コレクターと言えば変な拘りが強いものですが、彼の場合は、オリジナルの状態に固執する事でした。
フリンジは勿論、田舎で付けられた補修のパッチまでも元のままに保存しておかなくてはならず、片側の房が欠けているだけで興味を引かなかったそうです。
その為、このカラプナルは20年前と全く同じ状態で保存され、もしかすると、一度も広げてないのでは無いかと思う程。
当時、今とは比べ物にならない程大量にあったアンティークの中から、完璧に近いコンディションの物だけを厳選して買い集めていた様です。

一先ず、ざっと画像をご覧下さい。
これはカラプナルの伝統的なスタイル、ギザギザのメダリオン模様です。
遊牧民の彼らに豊富なバリューエーションはありません。
ただこれは良くあるカラプナルと違い、職人気質の強い洗練されたタイプ。
カラプナルは伝統的に、横のボーダーを置かず、巨大なシングルメダリオンを積み上げていきます。
しかし、これはまずフィールドを4つの窓に分割、そこに、ペアのメダリオン模様、そして、精巧なボーダーを置いています。
ペアの模様になっている事は、へイベの様に、伝統的に豊穣を意味する模様である事から、これは嫁入り道具の一つと考えられ、高度な技術によって制作された意図が感じ取れます。
また、カラプナルの経糸にはしばしばブラウンやミックスが用いられる中、これは経糸用に紡いだ品質の良いものが使われ、ご覧の様にとてもフラットなキリムで遊牧民らしさは殆ど感じられません。
勿論、緯糸も古い時代の手紡ぎ糸とは思えないよく均整のとれた糸です。

色合いはご覧の通り、全てが古いキリムのもの。
マラティアは勿論、レイハンルであっても色むらが至る所に見られる中、これは色むらを徹底して排除しており、一般家庭で制作できるキリムのレベルを凌駕しています。
それが緑や紫色など古い時代を代表する天然色で彩られているのですから、美しくない訳が無いでしょう。
また、少し離れてみるのと、近寄って見るのとでは印象が異なり、間近でこの色・デザインに接すると圧倒されて言葉が出ない位です。
とても品質に優れ、密に織られたキリムはしっとりして重みがあり、やはり、嫁入り道具の1つだったのでしょう。



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