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fc183 ホタムシ・キリム |
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ご存知、コンヤの東部方面で制作されたホタムシ系のキリム。 ただ、中心部の箪笥模様といい、レイハンルの趣も感じられます。 レイハンルのデザインには、コンヤ方面と酷似しているものが割と豊富にありますから、それはそれで正しい見方ではないかと思います。 さて、ではこれは何処で制作されたものでしょう? エニクリと呼ばれる本体とボーダー部で構成される3枚のキリム、六角形のギュルを用いた髪飾り模様といい、高度な技術を持つトルクメン人の末裔によって制作されたものの様です。 最もポピュラーなホタムシでは、カラプナル近郊エリアが主要産地と言われているのに対し、これは色々な特徴からオブルク辺りの産ではないかと推察します。 俗に言う、アクサライ・ホタムシです。 画像をご覧の通り、本体と継ぎ足しボーダー部分のベレケット模様がピタリとは整合しませんが、これは、エニクリの多くに共通して見られる特徴です。 ただ、左側のボーダーは上端を押し込めて整合させてある分、下側が短く見えていても、長さそものはほぼ均等に出来ています。 ※赤褐色の緯糸が外れていますが、ここは現状のままに縫いによる房止めを入れてあり、現状から色糸一本たりとも失わないようにしてある為。 何より、その魅力は他に類を見ないデザイン、そして、美しく彩られた古い時代の濃厚な天然色です。 撮影の際、白いフィールドと暗いボーダーで明暗が別れる事から、中間的な色合いでの撮影を心がけていますが、それだと、このキリムで一番美しい茄子色が黒く写ってしまうため、一部は意図的に明るく写るようにしています。 それでも分かり難いと思いますが、左右のボーダーの黒い部分の他、随所に濃淡の違う茄子色が見られます。 全体を通じて、肉眼でご覧になると、しっくり落ち着いた色合いに見えます。 ボーダーには、痩せた土地で放牧中心の生活をしていた彼らに定番の、羊の角と上下には豊穣のベレケット。 フィールドを埋め尽くす髪飾りからは、娘さんが幸せで実りのある将来を切望していたことが見てとれ、背面に白を使っているのも未婚の女性の象徴であり、嫁入り道具を想像します。 通例、黒い背面には強い色彩、白い背面には淡い色彩が好まれますが、これは双方とも濃い色彩が用いられ、その存在感を引き立ててくれています。 最後に、元は誰かのコレクションの一つ、今はもう廃業しているでしょうが、お店の方のものだと聞いた様に覚えています。 そうでなければ、今に至るまで当時のままに、部分的に産毛のようなものさえ残る様な状態で保存されている事はまずありません。 なお、表裏を見比べると、裏面は更に少し濃い色をしていて、一時的に飾りの類として使われていたのだと思います。 |
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