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fc210 ベルガマ・キリム |
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正真正銘のベルガマ。 小さなサイズのシンプルな縞模様だけのキリム。 でも、何故でしょう、ワクワクします。 一つは、持ち運びで来るお祈り用のキリムの所為だと思います。 仰々しいお祈り用キリムと違い、持ち運ぶ事ができるキリムは大抵がこのサイズ、人が手と膝をついた時にギリギリに収まる120cm前後のサイズは、視覚的に一番愛らしく写ります。 全体画像の上端、房の編み込みから伸びる糸の一部が失われています。 お祈り用として踏み込んでいたので、ここが欠けたのだと思います。 この小さなキリムを携え、羊達と一緒に移動していた様子が目に映るよう。 次の要素としては、やはり天然色。 制作したのは遊牧民系の人達、草木染に必要な染料の入手方法は容易だったでしょう。 ベルガマのキリムに使われる色合いは決まって5種類程度、何処に行けば手に入るか、幼い頃から身に付いています。 そして、より良質な染料を見分けて採取するのもお手の物だったでしょう。 デザインは中央の縞模様を中心として上下にシンメトリカルに広がるパターン。 その緑色を近くで見ると黄色が混ざっているので、黄色で染めた色糸を藍染したものだと分かります。 藍染めする技術があるのならば、熟成していない藍で青緑を使えば簡単なのに、よりハッキリとした緑色に染める事を望んだのでしょう。 というより、伝統的にそうする事を学んでいたというのが正しいでしょうか。 勿論、このお祈り用キリムの為だけに色糸を用意したのではありません。 大きなサイズの縞模様キリムと同時に制作されたはずです。 遊牧民彼らですから、その大判キリムも敷物ではなく、ベルデのような役割だったでしょう。 いずれにしても、現存するのはこの小さなお祈り用のみ。 二番染めの色むらを使わず、どれも濃厚な色合いに染められている事から、豊富に染料が手に入ったと分かります。 赤色が少しだけ房に付着していますが(画像には見えません)、時間の経過とともに消えていくでしよう。 そういった様々な要素が絡み合ってこの小さなキリムを愛らしく見せてくれるのだと思います。 キリムは薄くとても柔らかいものなので、敷物にも使えますがより飾りに適しています。 今はもう完全に失われた過去の伝統、それこそベルガマの博物館がこういうものを保管しておくべきでしょう。 最近になって、各都市にトルコの伝統的な物を集めた博物館を置くようになりましたが、今になってそれらを入手しようとしても極めて困難です。 |
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