キリムの店*キリムアートアトリエ |
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fc220 シルト・バッタニエ |
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壁飾りのバッタニエ。 イスタンブルでクッションカバーの工房に居た時に、片隅にバッタニエの山が埋もれているのを見つけました。 まさかと思いましたが、みすぼらしいこれらもクッションカバーになり、良い価格で売れるのだそう。 それはともかく、山と積まれたバッタニエの中に裏面が輝くものが見えたので、「何だろう?」と思って掘り出したのがこれです。 勿論、加工用ではありません。 アナトリアでよくある販売手法の一つで、ボロいキリムの寄せ集めの中に一枚だけ特に良い物を混ぜておきます。 すると、その一枚を目的にボロの山が売れるという訳。 ただこれはどう見ても普通のバッタニエとは違います。 過去に見たバッタニエの全てを覚えている訳ではありませんが、おそらくこれが一番良い物。 織り込まれている名前と年代が示す通り、今から85年前に男の子の誕生を祝って、当時のシルトで制作されました。 そして、その子の成長を見守るべく、これは壁に掛けて使われたので、このような素晴らしい状態を留めています。 裏面に壁掛け用の細工を取り付けた跡が見られます。 長い期間、吊り下げていたので、少し中央がたるんでいますが、これも愛嬌。 柔らかいキリムなので、ストレッチで簡単に直せるものの、これについてはそのままが良いと思います。 その時代背景から使われ方までを含めて、このたるみもバックグラウンドの一つであり、狭く小さな世界ではあるものの、後世に受け継がれていくべき宝物の一つだからです。 既に洗ってあるという事でしたが、彼らの言う綺麗さと私達の考えるものは程遠いので、持ち帰ってから手洗いしました。 やはり自分で洗ってみると白い部分が特にスッキリして、文字がクッキリ浮かび上がりました。 また、洗って干すだけでこの位綺麗な形に復元するのですから、バッタニエとはいえ、かなり精巧に織られています。 実際に触れてみると、古いバッタニエはかなり薄く出来ているものなのに、案外厚手なのに気が付きます。 何故でしょう? 起毛が擦り減っていないのは当然として、壁に掛けて使うのならば薄手で良い筈。 という事は、将来、息子がこのバッタニエを使う機会が訪れるかもしれないと考えたか、誰か腕利きに頼んで特別に設えたかのいずれか。 まず、他のどのバッタニエとも糸質が違います。 もしかすると生まれて最初に採取したアンゴラヤギの毛を使ってあるのかもしれません。 お陰で、柔らかいのに、目を詰めて織ってありますから、裏面から見た時に糸の並び目が整って輝いています。 道理で、山と積まれたバッタニエの中からほんの一部が見えていただけでも目が留まる筈です。 あと、経糸のコットン糸もこのバッタニエの為に撚り合わせた、やや太めの特別に設えたもの。 サイズ的にも定番のバッタニエよりも大きい分、それなりの重量もあります。 唯一の欠点は、最後の画像の様に、裏面にインクらしきものが付着している事。 手洗いの際、落ちないだろうと思いながら、洗剤を付けて軽く揉んだだけですが、意外と薄くなりました。 もし次にご家庭で洗う機会があれば、更に幾分かは薄くなると思いますが、裏面であり、無理して落とす必要もないと思います。 |
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