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fc246 ミラス・絨毯 |
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カイセリのオークションで手に入れた古いお祈り用絨毯。 この絨毯とセットになっていたキリムが欲しかったので、買い付けました。 正直に言えば、キリムだけだと思っていたのに、この絨毯が付いてきました。 オマケなのだろうか?と思いながら、友達の車に運ぼうとしていると、元の絨毯屋からこれを譲ってほしいと欲しいと言われました。 「えっ、絨毯の方なの?」と友人と顔を見合わせました。 そのミフラブ模様からクルシェヒル産だと思っていたのですが、それが違うらしく、「譲ってくれれば教えてあげる。」と言われたので、断りました。 その絨毯屋はきっと売れると確信しての事でしょうし、産地は追々調べればわかる事なので、そこまでして欲しい絨毯ならば、俄然持っておきたくなります。 特徴的なミフラブ模様はクルシェヒルが得意とするパターンですが、生命の木は違います。 では、コンヤ周辺でないとしたら一体、何処なのでしょう? 何人かのトルコの絨毯屋に聞きましたが、全く参考にならないため、自分で考えましょう。 トップの生命の木と花柄はどこかで見た記憶があります。 そう、これらはウシャクの方面だと気が付きましたが、もう少し考える余地があります。 キリムでこのサイズ、生命の木のお祈り用であれば、チネが頭に過ります。 そこで、販売用の絨毯カタログを持っていたのを思い出して調べると、同じクルシェヒルのミフラブを用いた絨毯があり、それがミラスでした。 ミラスの絨毯については、 Wikipediaの方が詳しいので、興味のある方はそちらをご覧ください。 元々、トルクメン人に由来する絨毯に起源があり(16世紀)、その後、ユダヤ人達が絨毯工房を開設してお祈り用の絨毯を盛んに生産するようになったという事のよう。 その後、ミラスで大量生産が始まったのが1896年らしいので、これはその前、工房が独自のデザインを生み出していた時代のものと思われます それで定評あるクルシェヒルのデザインを取り入れ、昔から続くデザインとの融和した作品が生まれたのでしょう。 道理で、でデザインを頼りに探そうとしても産地が分からない訳です。 それにしても、ここまで超過密な花柄と生命の木をふんだんに用いたデザインは見た記憶がありませんし、カタログにも同じ物はヒットしません。 工房が発案したものなのか、それともオーダーメイドによるものなのでしょうか? アダ・ミラスの絨毯はカーネーションが好んで用いられるという事ですが、ここまで圧巻の模様を配置を施したものは一枚も見つかりません。 手前味噌ながら、これが一番美しいのでは?とすら思います。 中央部分のパイルが一番擦れている事から、ここが足を置く場所だったようです。 壮麗な二段重ねのミフラブを復元してみたい気持ちはありますが、これはこれで十分美しい。 裏面を見るとパイルの結び目が残っており、当時のデザインを偲ぶ事が出来ます。 これこそ、カタログとして残されるべき非常にレアな絨毯だと思います。 古い天然色、150年以上前の絨毯に見られる濃厚な緑が贅沢に使用され、ミフラブトップの赤色は沸き立つような色合い。 古いミラスの赤色はエリカと呼ばれるツツジ科の花から採取したと言われています。 勿論、本当かどうか確かめる方法がありません。 現状はほぼオリジナルのまま、前のオーナーの誰かが、壊れた房を作り直そうとしてコットンを入れていますが、ベースはウールです。 全体を通じて、小さな破損はあっても、このままの状態で飾りにする事もでき、飾るだけでそこが私設の博物館の様になります |
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