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fc101 シワス・キリム |
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マラティアの要素も多分に入っていますが、これは希に見付かる高品質タイプのシワス。 決まって良質なウールが使われ、とても薄く肌触りのとても良いキリム、色乗りが良く古いキリムではとても美しい天然色が目を惹きます。 本品も同様にとても良質な薄手のキリム、ボーダー部のベレケット模様は小さく整然と並び、鋭角に描かれたギザギサといい、織りが細かいので模様の輪郭線がはっきりと現れ美しい姿を描いています。 幾重にも重なるジクザクのフィールドは、ゆったりと水が流れるようで、ボーダーには小さなベレケットが密に整然と並び、全体画像を一目見て、とても綺麗な姿をしていると感じます。 各フィールドの境界線には、経糸を二本ずつ取って飾り糸を入れて小さく段々としたものが入り、次いで太めの境界線が入れられているのがこの特徴。 定番のマラティアでは、この境界線が狭く、ギザギサ模様を入れてあります。 また、接写した画像からはこのシワスの本領(色彩)が遺憾なく感じ取れると思います。 絶妙な色むらを伴った古いキリムに定番のなすび色はかなり濃く、応分の年代の証。 所々、ブラウンの中に色むらのようにも使われています。 緑色は二種類あり、多く使われているのはやや淡い色調の方。 これも黄味混じりの緑ですが、経年により黄味が薄れややマイルドになっています。 ボーダーのベレケット等一部に使われている、極めて濃い青緑は滅多に見られない色合い。 撮影後に気がつきましたが、青いフィールド上にある赤茶色の狼の口は、上端ではコチニールの赤色が使われ、ベレケットボーダーの配色もより変化に富んでいるので、反対側から見た方が華やかで美しく感じます。 ほとんど太陽光に当たっていない裏面は、表面より少しだけ濃い色合いをしているため、たまにこれを見て当時の色彩を偲ぶ事もできます。 ただし、これはかなり年数がある割に、元々の状態が良いキリムなので、クリーニングとストレッチのみを施し、一切修理をしていません。 |
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