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fc124 アイドゥン・キリム |
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美しいアイドゥンのマルチプレーヤーキリム。 見事なシンメトリカルデザインによって、上下を問わない様式としながらも、下部のフィールド両端、お祈りの際に足がつく場所に赤茶色の狼の口を置いている事から、一応の方向性は考えられていたようです。 実際に、どれほどの期間使用されたかは定かではありません。 しかし、始めてこれを見た時、キリムの表面には産毛/毛羽が結構残り、恐らくは一度も洗われていなかったのでしょう、古いキリム特有の汚れた感じもあって、今の画像とはかけ離れた印象で、買い取るのを躊躇したほど。 加えて、表面に残っていた毛羽のせいで、まるで表面なのにキリムの裏面を見ているような感じさえしました。 大抵の古いキリムは洗う事で見違えるように綺麗になると分かっていても、このくらい未使用感の残る古いキリムを手にする機会は多くありません。 リスクを取る気で買い取り、洗いに出して返ってくるとこの通り、見違えるようなキリムになっていました。 積もった埃や汚れ、そして毛羽が取れると、余計な所に神経を使う事なく、模様の一つ一つがはっきりと認識でき、素直に色柄、美しい天然の色合いを堪能できるようになりました。 ほとんどのキリム、アイドゥン地方のキリムでは白や黒といった無染色の糸をフィールド背面やボーダーに多用しますが、これは必要最低限、一番望ましい所にだけ使用され、大半は何処も彩色された色糸ばかり。 全体の基調色は二種類の赤色、ボーダーの赤は、太陽光下などの明るい場所では赤く、暗めの所では赤茶色に見えます。 そして、ミフラブ背面には色むらも美しいインディゴの濃紺色。 同じインディゴから染めた青緑色は生命の木やボーダーの輪郭部分に効果的に使われ、部分的に小さく黄色も入り、色目の良さは群を抜いています。 経糸にはブラウンや白のウールが混ぜ込まれて、チネに代表されるような洗練されたタイプとは違い、少し山間の田舎町で織られたノマディクなテイストを持ち合わせています。 アイドゥンのキリムに特有の色々な模様を組み込んで隙間を埋め尽くそうとする細工が、徹底して狼の口を埋める等して、見事に隙間を埋めています。 ボーダー部の流水模様と呼応するように、ミフラブ本体にもジグザクが入れられ、平面的なキリムなのに小躍りするような躍動感すら感じられます。 キリムそのものは薄手で、織り目の詰まった古いアイドゥンらしい良質なタイプ、随所に見られる色むらは全てがオリジナル、前述の通りほぼ未使用ですから、下手な修理等はありません。 上下のスカート部分はとても短いですが、これも元々のもの、糸一本たりとも取り除いていません。 普通、アンティークのキリムは何処かしら古い修理があって、洗う事すらままならない事もある中、これは普通にフル洗浄できました。 これほど完全未修理の古い祈祷用キリムはほとんど見つかりませんから、完璧主義の日本の方に向いています。 なお、掲載画像は屋外で撮影したものですので、実際にご覧になると1トーンくらい全体的に暗めの色調に感じると思います。 |
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