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fc196 マラティア・シナン・キリム |
産地 | シナン SINANLI KILIM |
年代 | 1905年頃 |
大きさ | 339*80cm |
価格 | 100,000円 |
高品質なシナン近郊のキリム。 これもクリーニングとストレッチしたのみで、一切修理していません。 もっとも、コンデションはかなり良く、殆どの破損はかつてチフカナットにする為に縫合していた右端にあって、鳥模様右端の濃紺だけは古い時代に修理してありました。 この修理をした後、壁掛けとして使われていたのでしょう、ボーダー側の裏面にはループが付いたまま。 部分的にシミ等もありますが、これも古いものならではとご理解頂ければ幸いです。 掲載画像では、暗めのフィールドの色彩にセンサーが反応して明るい色に写し出しています。 全体的にもう少し暗めの色合い、白いコットンの部分は、古いキリムのコットンそのものです。 まず産地ですが、白いコットンを使ったキリムは間違いなくマラティアで、それもシナン方面である事は色合い等から推察できます。 そこで、もう少しエリアを限定できるかどうか見ていきます。 フィールドの巨大なエリベリンデは至る所で見られますが、中央部に置かれた鳥模様は、マラティアの南西、マラシュ方面が得意としています。 もう一つの特徴である、エリベリンデを仕切る波模様は、アラプギルの袋に好んで使われるもの。 しかし、アラプギルはマラティアの北部、エルジンジャンの県境近くです。 フィールド模様は各地のデザインを取り込んでいく事から、元々決め手には今一つ。 そこで、ボーダーのベレケット模様を見ると、マラティア伝統のものがアレンジされた格好。 それも単調に同じ模様を繰り返すのではなく、角が有ったり無かったりと変幻自在の様子。 シナンは割とシンプルなボーダー模様が多いので、少し違うと感じます。 消去法で消していくと、シナンのあるヤズハン市からそう遠くは無いエリアで、青系を得意とする色彩や品質の高さからは近隣のクルシュヌが候補に挙がりますが、推察もそこまで。 細部のデザインを見ると、実に手の凝った装飾が施され、個々の模様はその場その場でアレンジされた様子。 織り手の技量が長けていたのか、下図等を見なくても頭の中にある完成予定図に従ってガンガンと織り進めていけたのでしょう。 お陰で、規則正しく同じ模様を織り込んだものと比べ、微妙に異なる個々のモチーフが踊るように生き生きとしています。 エリベリンデとその背面の色彩は、中央の鳥模様を起点とする繰り返しになり、最下部のエリベリンデだけが少しオフセットされている上に、格好も違い、他より装飾性が豊かな事もあり、何かしらのメッセージ性がここに込められています。 多用されているコの字形の模様が二つ巴の一種とすると、神格化して魔除けとしているのか、それとも、中央の鳥模様が象徴するように、願い事の願掛けをするといった事等が考えられます。 見る場所毎、また、見る機会毎に新しい発見があり、中央の鳥模様のお陰でしょう、愛らしい様子が感じられます。 |
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