キリムの店*キリムアートアトリエ |
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fc248 アダナ・キリム |
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| 産地 | アダナ方面 |
| 年代 | 1905〜1910年頃 |
| 大きさ | 378*77cm |
| 価格 | 200,000円 |
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ご覧の通り、力の限りを尽くした試作品のようなキリムです。 この半分だけでも制作には膨大な手間暇がかかっている上、これと模様を合わせてもう半分を制作するだけの技量と時間を掛ける事が出来るとは考えにくい所。 また、裏面に残るループの形跡から、最終的に壁掛けとして使われていたもので、フィールド側に付けられたフックからチフカナットとして制作された可能性は更に少し低くなります。 また、壁掛けだったお陰で、年数を経ている割にダメージは少ないものの、それでも局所的に存在し、それらはほぼ上側に集中しています。 シミも所々ありますが、余りにも見て頂きたいところが多過ぎ、少ししか載せられていません。 このキリムが余りに素晴らしい事から、修理して完璧な状態に戻す事を考え、イスタンブルに持参しました。 その際、プロのクリーニング屋による洗浄を頼みました。 一度、私の手で洗ってありましたが、洗浄機で表面を剥ぎ取るように洗う事で、昔の色合いが復活するからです。 案の定、キリム表面の薄皮が汚れと共に取り去られ、昔の色合いが復活したのは良い事ですが、想定以上に破損部分が出てきたため、修理を諦めて、トルコで一番のストレッチのみを施しました。 産地について、確証はありません。 この手の長いキリムは、マラティア、シワス、アダナのいずれかと相場が決まっています。 一目見た時はマラティアだと思いましたが、どこか腑に落ちません。 クルディシュキリムの大らかさというよりか、むしろ、コンヤ方面キリムのような精巧さが感じられ、事実、キリムも薄手で上品な感じ。 産地を示すボーダーを見ると、右端のベレケットボーダーは、最下部のみがマラティアで、他はアダナ方面。 フィールドのデザインはもっと複雑です。 巨大な六角形の髪飾り模様はホタムシ風、でも、その中に描かれている鳥模様はアダナ。 鳥模様を描くアダナレイハンルも少し頭に過りましたが、少し雰囲気が違います。 一方で、多彩なジジムや「サカル」と呼ばれる結び付けられた房は、シワスらしい。 最終的に、レイハンルぽいデザインも取り入れられている事から、各地を移動してそれぞれの文化の良いところを取り込んで制作されたアダナ系の遊牧民ではないかと推察。 色合い的には青色が最も多く使われていて、ホタムシの担い手であるアクサライのキリムと共通する所であり、ホタムシ同様にトルクメンの人達が制作したものだと推察でき、彼らが初めに住み着いたのがトロス山脈のあるアダナ周辺です。 また、画像では分かり難いものの、多彩な色むらが施されており、特に赤色系の色むらは圧巻です。 さて、掲載画像ですが、お見せしたい部分が多過ぎて、撮影画像も多過ぎて選び切れません。 何せ13面もあるので、一つの升目毎に撮影していたらキリが無いからです。 その上、随所にアレンジが施されているため、気が付くと鑑賞に浸ってしまいます。 おそらく織り始めは気合の入った一番下から、遠近感の所為もありますが、下の升目ほど大きく描かれており、上に進むにつれて幅が狭くなる傾向が見えます。 ただ、最下部二つの箪笥模様は特に華やかに描かれている事からも、何かしらここに願い事を託しているのだと思います。 僅かな隙間しかない左端にも、これでもかと装飾が施されており、これは特別な目的があって、作り手の根性を試したか、伝統の技を残す為の見本として制作されたもののよう。 展示品として、飾るには最高だと思います。 |
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