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fc132 マラティア・キリム |
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マラティア地方の小振りなキリム。 その年代の割に使用感が無く、完璧な状態で見付かった事から、壁掛け用のキリムであったか、単に使用する機会が無く、保存していたかのどちらか。 ミフラブにはなっていませんが、これはお祈り用のキリム、上下対称になっているメダリオンのデザインにも一応の上下が、それとなく設けられています。 それを感じさせるのが、クレイジー極まりないこのボーダー部。 壮麗なフィールドと比べ、見劣りしがちなボーダーですが、デザインそのものは羊の角を使いながらも、これはその絵姿や配置で個性を発揮、フィールドとの相性がバッチリです。 見事なくらいバランスの取れた(アンバランスな)羊達は、色彩豊かで、所狭しと並び、財産でもあった羊が元気に育つ事を願う様子が活き活きと描かれています。 フィールドとの境目に入る櫛模様は、羊を飼う柵でしょうか、規則正しいマラティアのそれではなく、変幻自在の変調が美しく見栄えします。 さて、その肝心のフィールドは、マラティア伝統のメダリオンを用い、それを何重にも重ねる事で威厳を高めています。 美しい水色のフィールド部分はグラデーションが効いていて、下部のやや白っぽい部分は葉からの薄い緑色。 上端ではこれに黄色が混ざり、更に、インディゴ由来の緑色が置かれ、この辺りがとても神聖な面持ちです。 そう感じさせているのは、色合いの妙に加え、このマラティア地方特有の面持ちを感じさせる緩くはらんだ線。 平織りのキリムでは模様を描く線こそが命、線によって美しく感じられる事もあれば、そうでない事もあります。 不思議と古いキリム程、繊細な描線が使われているので、天然色の魅力も加わり惹かれる一つの要因になっています。 また、随所に織り込まれている大量の銀色は、このキリムに対する思い入れに比例するかの様。 非常に密なデザイン構成を取りながら、上端は模様の形を歪め、全体的にアレンジが強く効いています。 豊富なシムといい、シナンっぽい印象を受けますが、良く見られるフィニッシュに至る変形が無く、キリムそのものは精巧なタイプなので、少しギュルンの雰囲気も漂います。 何れにしてもマラティアを代表するキリム、サイズが小さい分、そのエッセンスが上手く凝縮され、ここに表現されていると感じます。 |
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