キリムの店*キリムアートアトリエ |
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fc134 コンヤ・ホタムシ・キリム |
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コンヤ辺りで織られたと推察される結構古いキリム。 ボーダーのデザインや配色等からコンヤ産と推察する事は容易ですが、より詳しい地域について確認したかったので、3人の古参の業者に尋ねてみました。 すると、一部にキュタヒャ産、他にカッパドキア産と言う者もいましたが、いくつかの手掛かりから得られる情報と有力な業者の意見がホタムシで一致したので、最も控えめな産地としてホタムシと呼ぶ事にします。 さて、詳しい説明に入る前に、一つお断りをしておきます。 このホタムシ、オリジナルの大きさですが、織り手の家族内で財産分与があった際、真ん中で半分にカットされてしまいました。 年代からして、恐らく二世代目の世代交代の時に切り分けられたのでしょう。 当時、田舎の方では古いキリムに高い価値が付く事を知らず(知っていたら切りません)、家族が一緒に過ごした思い出を受け継ぐ為にこうして半分に分けられました。 初めから、チフカナットで織ってあればこのような事態は避けられたのでしょうが、元来、売ってお金にしようという意思が無かったからこそ出来た仕業。 チフカナットのキリムに慣れ、形見分けしたキリムを見て育った彼らには、こうして縦方向に半分に切るのが普通だったようです。 時々、横半分というケースもありますが、圧倒的に縦方向に切られる確率が高くなっています。 また、カットされているキリムの為、特段の修理は施していませんが、切り目の部分に繋ぎ合わせる為の簡易な修理がある他、小さな破損も少し点在しています。 お勧めのポイントは、古い時代のキリでも少数派の沸騰する様なまばゆい天然色が見られること。 どうやってこの様な色を作り出せたのか不思議な所ですが、殆ど色ムラを使わず、平均的に同じトーンの濃い色で染められています。 しばしばキリムのカタログに出てくるこの色合い、コンヤ辺りの古いキリムの「山吹色」を彷彿とさせます。 ウェブ上を検索ると、18世紀のキリムと謳われるものが散見され、実際に18世紀の物も極稀に含まれていますが、これほ濃厚で美しい色を持っているキリムは無いのが実情。 多くは、古い物である事は分かるものの、紫外線を浴び過ぎて色素が破壊されたのか、美しい色を持っていません。 しかしこれは、元々濃厚色であった事に加え、形見分けされて以降使われなかった事もあり、昔のままの絶品の天然色が残っています。 そして、羊の角を用いたエリベリンデを囲む半六角形模様が、配色を変えながら絶え間なく繰り返される事で生まれる色彩のハーモニーは、この大きさならでは。 太陽光の下で初めてこれを見た時、目の前に広がる光景に言葉を失いました。 この美しさを表現するのに下手な褒め文句は要りません。 それでも敢て補足するなら、ブラウンぽく見えているのはほぼ全てが古いなすび色、下部のボーダーはカラフルな色彩が使われている一方、上端はこのなすび色のみ。 カットされている事で利用方法は限定されてしまいますが、このタイプのキリムは実用性云々を挙げてその利用方法を語るタイプではありません。 美しい天然色のキリムを、端切れ等の断片ではなくフルスケールで、例え真ん中でカットされていてもオリジナルと変わらず鑑賞する事ができるのです。 これくらい見た目にも分かり易く美しい作品は、博物館の様な場所で多くの方に見て頂きたいもの、それ程の魅力を秘めたキリムです。 その上で、オリジナルの状態で出てきた時より半分以下の価格で入手できるのですから、悪い話ではないと思います。 |
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