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fc143 ヘルキ・キリム |
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ハッキャリ・キリムの一つ、ヘルキの大判サイズ。 ヘルキとは、イラクとイラン、そしてトルコにまたがる広いエリア(クルディスタン)に居住する2番目に大きなクルド人部族の名前です。 また、そのヘルキという名も3つの主要部族の集合体の呼称であり、それぞれの部族が更に多くのファミリーを持っています。 遊牧民の彼らは、季節毎に移動する自然と調和した生活を送っていましたが、第一次大戦で敗戦国となると帝国そのものが崩壊の危機に瀕し、その領土の大半が失われると、自由に放牧する事ができなくなりました。 その後の混乱期では、他の遊牧民同様厳しい弾圧にさらされ、アナトリアに残っていたヘルキの人達は、ハッキャリ最東端の山岳地帯に移り住む事を事を余儀なくさせられ、現在に至ります。 その部族の多様性、そして、広大なエリアに居住していたヘルキのキリムには、実に多種多様な物が見られ、とても一括りには説明は出来ない程。 ただこのヘルキに限って言えば、一枚物という分かり易い特徴があります。 偶々大きな機材を設ける事が出来たのではなく、このキリムを織る部族は水平機を用いることで幅広のキリムに対応してきました。 最も特徴的なのは、そのデザイン。 私達が普段キリムと言われて思い浮かぶのは、フィールドにメダリオン等の模様を描くタイプ。 しばしば賛辞の様に「隙間を埋めるように・・・」という表現を使いますが、このヘルキは水平機のキリムらしい横方向に規則性のある模様を積み上げる方式とし、隙間そのものが存在しません。 混沌とした東部地域で見られる模様のオンパレード、とにかく織り込めるだけ詰め込んだという印象です。 それも独特のアレンジした何種類ものパターンを積み上げているのですから、息を呑むと言うか、少し重苦しいくらいの様相。 しかも、その色彩は原色に近い色合いのコンビネーション、染色後の洗いもろくに行われていない様な濃厚色そのまま、キリムを織る手に色移りする位の糸で遠慮無しに織り上げて行ったのではないでしょうか。 それから100年以上が経過、余分な染料は剥離するか経年によって色素が分解され、トーンダウンする等してマイルドになってこの色彩。 屋外での撮影の影響もあり、画像では幾分強く出ていますが、概ねこの様な色彩です。 画像で黄色ぽく見えているのはアプリコット色、100年相当でも強いオレンジ系統色が当たり前のハッキャリにしては珍しい事。 均一な色に染める事の難しい緑は、当たり前の様に色むらが散在し、様々な模様が自由な変形を伴っており狂気乱舞するような面持ち。 デザインや色使いがどうのこうのという段階の話ではなく、当時のクルド人の生まれ持った感覚、文化性の発揮された生き様そのものの様な見事なキリムです。 経糸に黒い山羊っぽい毛を使っている事、緯糸もそれ程細くは無いので、古いキリムにしては気持ち厚みがあって丈夫に出来ています。 |
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