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fc157 シャルキョイ・キリム |
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小さめサイズのシャルキョイ。 ピロットの人達にとって一番馴染み深い箪笥模様のキリム、シャルキョイと言えば普通、このモデルを指します。 敷物として重宝されていたシャルキョイは、片面で100年間、裏返してもう100年間使えるという伝承が地元の人々の記憶には今も残っています。 では、この小振りなシャルキョイ、どんな用途だったのでしょう? 実際に触れて頂ければ大方の察しがつきますが、とても薄く、柔らかい質感は、シャルキョイの中でも断トツ、触った感じはまるでショールの様。 現在は、イスタンブルからの出荷に際して型崩れしない様に整形した時の糊がまだ少し残っているので、本来の柔らかさではありせんが、それでもかなりのもの。 洗って乾いた直後は、ポケットに入りそうな位小さく折り畳めました。 とても敷物としては耐えられない感じですが、壁飾りには最適です。 しかし、壁飾りなら、この小さなサイズよりもう少し大きめの方が向いています。 ここでヒントになるのが、これはヨーロッパに流れたものではなく、現地に留まっていたキリムだという事。 今はキリスト教が盛んですが、シャルキョイの織られていた地域は古くからブルガリアに帰属しており、オスマン帝国の支配から脱したとは言え、500年近くも続いた統治の間にイスラム教に改宗した者も多く、当地で密かにお祈り用として使う為のものだった可能性が考えられます。 色柄は最も典型的なパターン。 シャルキョイ独特の真紅は無論、緑色は、古いシャルキョイ特有の2種類以上の美しい色彩が現れています。 オレンジ色もありますが、いわゆる化学染料のものとは少し違います。 化学染料を使う理由は、簡単に染める事が出来る事に尽きます。 もし化学染料ならもっと大々的に使われてしかるべきものが、これは、大事なところに少しずつしかありません。 でもここで、「箪笥模様は黒?」と思われた方、正解です。 極稀に黒を使ったアンティークもありますが、それは私がシャルキョイの文化圏を巡る中で見つけた50枚程度の中に1〜2枚というレベルですから、皆様がご覧になるものにはまず無いと思って頂いて良いでしょう。 実はこれ、化学染料を混ぜた黒では無く、白地とのコントラストとして用いられたこげ茶色であり、この箪笥模様の中の黒い色むらは全て濃紺です。 ボーダーの羊は濃紺又はブラウンで、上端のエッジは全て濃紺。 もしかするとこの上端の濃紺は、お祈り用キリムとしての方向を示すものかもしれません。 念のため、上と下を反対にして撮影して見ましたが、羊模様等は最初の画像方向で見た方が生き生きとしています。 |
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