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fc160 シャルキョイ・キリム |
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とてもユニークなデザインのシャルキョイ。 このデザインはご覧になられた事がなくても、このミフラブを1つだけ用いたお祈り用キリムならどこかで目にされた経験があるかと思います。 これも122種類あると言われるオーナメントの1つになりますが、フィールドを縦方向に3分割して、生命の木を伴った12個ものミフラブを置くという斬新なデザインは、工房お抱えの職人が立案から糸の染色までを行い、最後に、腕利きの娘さん2〜3人がかりで織り進めたものです。 同じ人が織り進んだとしても精巧に仕上げるのは困難が予想される中、これはかなりの正確さで織り進められています。 リーダー核の人が中心部を受け持ち、左右に目を配りながら織り進んだと思われ、真ん中のミフラブがゆったり、堂々とした感じに見えるのは気のせいでしょうか? 以前にも触れましたが、シャルキョイの全てのモデルにはピロット語、今ではセルビア語の呼称があり、これにはセルビア語で「鏡」を意味する言葉が当てられ、左右だけでなく上下にも鏡写しの様な精巧さが必要とされました。 偶々、このキリムを手に入れた直後、ブルガリア、セルビアと渡航する機会があったので、地元の数少ないバイヤーに「このキリムを知っているか?」と、聞いて回りました。 すると1人だけ、ナンバーワンを自称するセルビアのコレクターが知っている風な口ぶりで、「何処で手に入れたのか、幾らで買ったのか?」など、反対にこちらが質問されました。 最初は若いキリムと勘違いしていたようですが、私が見せる1つ1つの色彩を見て的確に年代を言い当ててきました。 最後にニッコリ微笑んで「これは良い金額≒儲けになるな。」と! 言うまでもなく、黒く見えるのは全て濃紺色。 艶やかなキリムのせいもあって中々上手く画像で再現出来ませんでしたが、何枚か撮影したうち、僅かに紺色の気配が感じられるものを接写画像として掲載しています。 また緑色等、一部には色むらが意図的に作り出されています。 ミラーデザインに色むらは相応しくないかもしれません。 しかし、アナトリア風の影響が色濃く残るこのシャルキョイには、ベレケットのボーダーの変化同様、色むらも微笑ましく感じます。 また、この年代にして、敷物として使っていたとは考えられない位の状態の良さも手伝ってより美しく見栄えします。 なお、これが制作された当時、シャルキョイの故郷はオスマン帝国から独立していました。 しかし、目立った産業のない辺境の地にある小さな町が生計を立てて行くのに、キリム産業はもはや欠かせない存在でした。 事実、独立後間もない1886年にはピロットキリム協会“the Kilim society of Pirot”が設立され、品評会で金賞を獲得するべく活動していたと記録が残されています。 従って、ムスリムの信仰心を醸し出す様なデザインに見えますが、他のシャルキョイ同様500年近い長い歴史の中で文化が融合していた事に加え、新しいデザインを立案する程の余力も時間も無かった事から、この様なキリムが織られていたと推察されます。 その後は、次第に箪笥模様やシワスモデルへと特化していく事になります。 |
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