キリムの店*キリムアートアトリエ
【Kilim Art Atelier】 キリムと絨毯販売
こだわりのキリムで作ったバッグや
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fc189 シャルキョイ・キリム

産地 シャルキョイ SARKOY KILIM
年代 1900年頃
大きさ 328〜334*121〜125cm
価格 300,000円


巨大なキリムを切り分けたものと推察します。
切り分けた理由は、長椅子の上掛けとして使う為です。
セルビアもトルコ同様、居間の壁際に長椅子を設けてあり、その上にも下にもキリムが必要になります。
実際、ピロットのキリム博物館に行くと、目を疑うようなアンティークのカットが長椅子や家具に掛けられています。
それならば初めから細長いキリムを制作すれば良いのにと思いますが、このような大判キリムを生産できる設備が家庭にはありません。
自家制作したのは小さなサイズがせいぜい、大きなキリムはほぼ外注です。
細長いサイズのキリムを外注する事は可能ですが、居間の長椅子は3〜4辺に設けられていますから、一枚ずつ外注するよりも大判をカットした方が安く抑えられるという利点があります。
このあたり、地元に伝わる伝統に外来のものが加わって成熟していく過程で、このような合理的な方法が生まれたのでしょう。
こうすれば、デザインは微妙に異なりますが、大きな違いはなく、色合いのバランスは完璧です。
偶々、これには、三つ折りされた裏面に工房のサインが入っていますから、織り始めの部分。
ただ、織られたばかりの新しいキリムをカットしたのか、それとも、ある程度使用した後でカットしたのかは分かりません。

その図柄・色柄は、美しいの一言。
赤いフィールドにはご覧の通り、極楽模様の生命の木。
これらがより美しく感じられる要素として、赤が深紅の赤をしており、濃紺色がその輪郭線をよく浮かび上がらせている視覚的効果があるのだと思います。
時折、緑の生命の木も見られますが、こちらは濃紺でボーダーの流水模様の中に緑を使います。
そして、その緑は、古いシャルキョイに見られる深く濃い緑色。
何故だろうと思って見渡すと、黄色い染めムラが見つかりました。
黄色に染めた糸を藍で上染めしたので、この強い緑が出来た訳です。
この緑なら、生命の木に使っても面白かったかもしれません。
この制作者もそう考えて、鳥模様を緑の背面色で囲ってあるのでしょう。

また、これには、ボーダーの線には全て波模様を入れてあります。
色の変わり目に小さくジグザクのスリットを入れる事が多い中、これは波模様で統一。
そのピッチといい、他の模様も幾分大らかで、少し丸みを帯びたデザインになっている気がします。
その分、生命の木では本物の木々の様にうねりもあって、生命観が感じられる表現。

画像をご覧の様に、上下のカット面は解れないように三つ折りしてあります。
強度の面ではこのままの方がお勧めですが、開いた方がキリムは大きく、見栄えは良くなります。
反面、長い間折ったままの為、開いたときに何らかの細工が必要になる事も考えられ、このままにしています。



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