キリムの店*キリムアートアトリエ |
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ol974 スフル・キリム |
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細長くてやや大振りなお祈り様キリム。 アナトリア各地で時折見つかるこの長めの祈祷用キリムは、稀にお祈りに使った事によるダメージが残ったものも見つかりますが、使用感の無い場合が多く、実用には長過ぎるサイズといい、壁に掛けて使ったという説が有力なように思えます。 決まった使い方というものは無く、キリム毎に様々な使い方がされたのでしょう。 産地であるスフルはカイセリの南部で、ヤフヤルの東側、アダナとの県境付近に位置する小さな村です。 ちょうどトロス山脈の終わる辺りにあり、トロス山脈の懐で暮らしていた遊牧民の末裔の人達がその生産の担い手でした。 余り聞かれない名前かも知れませんが、カイセリ近辺まで行くと割に豊富に出てくる事から、一つの村だけでなく近くの村々でも同様のタイプのキリムが織られていたのでしょう。 ユニークなのは、このデザイン。 スフルのキリムはお祈り用のキリムを得意とし、決まって、マルチなボーダーにやや細めのミフラブが置かれ、これもそのスタイルではあります。 しかし、ミフラブ本体の装飾、単調な彩色のスフルとは似つかわしくなく、内側のメダリオン模様はヤフヤル、色彩はアダナです。 恐らくは、アダナ方面からカイセリに入植してきた家族、放牧地を求めて山麓沿いを転々として各地の特徴を取り込んでいったものなのでしょう。 また、細く紡いだ糸で密に織られたキリムは、同じカイセリ内でも北部のギョムルゲンを彷彿させる高品質。 薄手のキリムですが、細い糸の折り返し、織りの密度を上げて表面をフラットに仕上げて抵抗を無くす事で、耐久性を上げています。 デザイン上の特徴は、直線的な模様を描く事が当たり前のキリムにあって、これはフィールド部分に緩やかな曲線を取込んでいる点、形式的なフィールドデザインとはせず、織り手の独創的な創意工夫が施されている事等が挙げられます。 そして、そのクライマックスがミフラブのトップ、効果的に使われたブラウンといい、華麗な装飾が施され、見る者を惹きつけます。 こちらもスイスで長らくキリム屋をされていた方が放出したキリムの一つ、自然に退色するに任せた色合いです。 |
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