キリムの店*キリムアートアトリエ |
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ol981 ダズクル・キリム |
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パルマクル(櫛又は手、時々箪笥)の模様でお馴染みのダズクル。 アフヨン県の一番下(南方)、ダズクル市辺りで織られたキリムですが、気持ち、チャルにも似た特徴を併せ持ちます。 大なり小なりチャルらしさが含まれるダズクルにあって、これは少しチャルの面影が濃く感じられるので、きっと県境あたりの山間の田舎で織られたキリムなのでしょう。 この地方のキリムの特徴として、一部に例外があるものの、総じて厚みがあります。 遊牧民の末裔、又は、農家の自宅で使用する為のキリムですから、細い糸を使い、手間暇掛けて上品に仕上げるよりも、素早く織り上げる事の方が優先された為でしょう。 そのため、ある程度の下図は用意していても、織り進める課程では頭の中にあるイメージなり、その時々の発想に従って織り進めるため、大らかなデザイン、ゆったりとして愛嬌あるスタイルが特徴です。 この図柄をご覧のように、色むら加減といい、その場の思いつきでどんどん変調を取り込んでいった様子。 パルマクルの隙間に置かれた狼の口は、口の部分が大きく強調されて、まるでシオマネキの爪のよう。 画像では幾分コントラストが強調されて見えますが、実物は幾分マイルド、全体的に手前が少し淡く、奥手(上方)ほどやや濃いめになります。 赤いフィールドは平均化しているようでも、割と色むらがはっきりと見て取れます。 これだけの大きさのあるキリムですから、何度も鍋で染め上げるうち、微妙に違う色合いに染め上がるのは仕方のない事。 それも茜の根っこから採取する色素、同じ分量を使っても含まれる色素の分量も違い、色素の定着の違いによっても、変化が大きく現れてきます。 染色した当初こそ近い色合いであっても、経年と共に色むらが出てくるのは草木染めならでは。 この色むら加減等は、夕日をイメージさせるチャルのよう。 また、部位によって緯糸を二本取りしたところ、別の撚り方をした糸が含まれる等、ありとあらゆる変化が見て取れます。 他に、この地方のキリムとして、しばしばボーダーの模様が省略され、代わりに櫛模様を置きますが、こちらは代わりにサフ、お祈り用キリムに使われるデザインを流用しています。 アナトリアのキリムには珍しく、一枚物で幅のあるキリムなので、八畳間一杯に敷き詰められます。 尚、これは私が自身で日干しを行い、色合いを調整しています。 表面を気持ち強めのまま、裏面を若干ソフトに仕上げていますので、表面を使っていると、次第に同化してくると思います。 |
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