キリムの店*キリムアートアトリエ |
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ol982 コンヤ・キリム |
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片側だけの横のボーダーが特徴的なコンヤ。 無論、これがオリジナルの姿、決してカットしたものではありません。 このフィールドにベレケットの模様を並べるタイプの大判は、普段、チフカナットで織られますが、こうして一枚のキリムとして織られているのには訳があります。 チフカナットにした場合の利点として、当然、幅のある大判のキリムを余裕で織り上げる事が出来ます。 一方で、片側だけを織り上げるのに半年を要し、もう半分は翌年に織るか、姉妹での共同作業になります。 その上、チフカナットでは左右の模様の繋ぎ目の他、全体のバランスも意識しなければならないので、それ程の大判が必要ないなら、一枚物がベストな選択。 しかし、織り手の家庭に設置できる機材の大きさにも制約があります。 そこで、コンヤ地方では左右のボーダーを後付けするエニクリ等の手法がしばしば用いられてきました。 おそらくは、これもその工夫の一つ。 織り機を目一杯に広く使って織り上げる事が出来る最大幅を設定し、フィールドにベレケットを四列並べるには、ベレケットを小さく描いてフィールドを狭くするか、ボーダーに工夫するしかありません。 そして、片側のボーダーを省略する手法が選ばれた訳です。 もっとも、当地には、半分サイズのキリムを室内のソファーに掛けたりする風習があるので、余りこの形に違和感は無かったのではないかと推察されます。 なお、横のボーダーに置かれているのは、フィールドのベレケットの手の部分から口を取り除いた形で、(止まり木の)鳥と例えられる事が多くあります。 上下のボーダーに置かれた羊の角は、下部で不規則な形になり、象形文字の様に何か織り手の家族にしか分からないサインでも仕組んだかの様子。 色彩は、若い女性を始め万人が好む赤いフィールドとし、定番のボーダーは黒(グレー/こげ茶)と決まっているので、コントラストの効いた白、そして、黄緑と水色でベレケットを特段の規則性無しに使っています。 赤色には十分な色むらがあり、それ自体が景色としても鑑賞できる恰好、加えて、ベレケットの中には菱形の目を組み合わせた物や、このキリムには欠かせない手を取り合ったパルマクルが見て取れます。 隙間に置かれた△の模様は護符であると共に、その中に色を入れる事で、目の模様にもなっています。 伝統的なパタ―ンを踏襲している手法などから、古い風習が根強く残っていた田舎の農村部辺りで織られたのではないかと推察します。 また、このタイプのキリムは決まってやや厚手になりますが、鋭角なギザギザ模様を描き出せるくらいには密に織られてあり、その分、ウールもたくさん使って重厚感があります。 実用的な敷物としてご利用下さい。 |
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