キリムの店*キリムアートアトリエ |
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L300 マニサ・キリム |
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ジジムがふんだんに織り込まれた縞模様キリム。 殆ど隙間が無く、異なる色合いを組み合わせたジジムは、見るからに制作するのが大変だったと分かります。 色合いとデザインから、マニサ、デニズリ、ウシャクの3県の境界付近で織られたものと思われます。 縞模様に使われている赤、青紫と緑の組み合わせは、デニズリらしいと感じます。 幅広の縞の中に織り込まれる花柄風のジジムは、ウシャクのキリムのボーダーにこれとよく似た模様がありますから、大体、この辺りと言うのは想像がつきます。 しかしエシュメのように機械的な精巧さというよりも、遊牧民系の大らかさがマニサらしいと感じます。 ご存知の様に、ジジムは本体のベースの糸と同時に織り込みますから、花柄の部分では、隣り合った模様と織り進めた後の整合性を考えながら、斜め方向のジジムを下から織り進め、ピタリと合わせるのはかなり大変だった筈。 それも、これほどたくさんある上に他にも模様を入れて行くのですから大変。 次に色合いでは、色目の数や変化が多い点が挙げられます。 元々多色使いである上に、色の濃淡を付けてあるので、より一層華やいで見えます。 赤色には、茜の赤が使われているようです。 普通、これほど色目が多いとまとまりが無いと感じたりもしますが、一定のまとまりが見て取れるのが不思議です。 細部では、縞模様の線の幅も広くなったり狭くなったりしている所とそうでない所が混在していて、意図的なものなのかどうなのでしょう。 幅広の縞のパターンを見ると、中央のオレンジから上下均等に色目が配置されており、これがオリジナルのサイズである事が確認できます。 多少ダメージがあって小さくしたものは安く買えたりもしますが、そのキリムに本来備わっている織り手が表現したかったデザイン性なりが失われていると感じるので、余程、安価でもない限りは敬遠されます。 縞模様キリムではどうしても生じてしまう空白部分も、徹底して模様で埋め込みながら流れるようなパターンを構成する事で、平面的なキリムなのに躍動感が感じられ、それが途切れなく永遠に続くように感じられます。 強いては、このキリムの上で暮らす人が平穏無事でありますようにと願ったためであり、その制作者の気迫が伝わってくるような力作です。 エシュメやデニズリにも近い事から、キリムの織りは引き締まっており、実用面で耐久性を発揮してくれるでしょう。 |
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