キリムの店*キリムアートアトリエ |
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L302 チャル・キリム |
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西アナトリアを代表する産地の一つ、チャル。 地理的にはデニズリ県の東側にあり、アフヨン県境に近くに位置し、ダズクルとデニズリの特徴を兼ね備えている、と言えば分かり易いでしょうか。 例えば、この中央に置かれた菱形模様を連ねたメダリオンはデニズリに決まって用いられるパターンですし、遊牧民系の大らかな所、そして、色むらを好んで用い、変幻自在の模様等はダズクルに近いと感じます。 そういった地理的な要素を兼ね備えつつ独自の発展をしてきたのが、チャル。 ボーダーには鳥の模様が用いられ、ここでは二重ですが、上下が同一パターンで織られない事もしばしば見られ、横のボーダーは大抵このように簡略化されます。 上下共にオリジナルの房止めのままで、上端に最後のドラゴン模様が無いのもチャルならでは。 フィールドには空白部分を残して模様が描かれるので、どこか空を漂っているかのような「ゆらぎ」が生まれ、それがチャル独特の「ひょうきんな」面影に映るのでしょう。 加えて、人気なのがその色合い。 しばしば夕暮れ時のようとも称される色彩は、決まって、このような色むらが施されます。 そして、緑色には決まって黄緑が使われ、全体として色調に統一感があり、どれか一つ際立った色彩を置く事をしません。 もしそうでない場合は、デニズリ系だったり、ダズクル系だったり、チャルに分類されても、少し外れた別の村で織られたものの可能性があります。 その為、正真正銘のチャルの場合、売り手は強気の値段で押してきます。 画像をご覧の通り、明らかな色むらが施され、このオレンジぽい色彩もはっきりと色むらが出ており、茜の触媒を変えて染め上げたものです。 また、上段のボーダーは過度な色むらが施されています。 おそらく、こちらがフィニッシュに相当する部位で、ここまでの自身の労苦を労うかのように持ち合わせの色糸を組み合わせてあります。 いろいろな考え方ができますが、一つには、何かしらここで最後の負荷を課す事で神様の使いである鳥を通じて、自分の気持ちを目に見える形で表現したかったのでしょう。 全体を通してみた時、下部がより色濃く、上に進むにつれてフィールド色や各種模様の色彩が淡くなっていきます。 これも、人の人生と同じように、成長して大人になり、円熟期を経て少しずつ年老いてゆき、髪の毛は白くなって、神聖な色とされる緑のボーダー上では神様との一体感を示そうとしたかったのかもしれません。 土地柄、キリムの目は詰まっており、薄くもなく、実用に丁度良い位です。 |
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