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M007 アイドゥン・キリム |
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一目見て何処の産かを悩むような不可思議なデザインのキリム。 もしかすると最初に思い浮かぶのは、エシュメかもしれません。 しかし、このキリムの始まりと終わりを示す上下の縞々ボーダーに並ぶS字のフック、クレイジーなボーダーの装飾、そして、黒い櫛模様で縁取りをするのは明らかにチネ。 そう考えたなら、このユニーク極まるミフラブにも合点が付きます。 エシュメはフラットで織り目の詰まったキリムを得意とし、ほとんどジジムを用いませんが、アイドゥン地方はジジムの産地です。 一枚、ランナーの頁のアイドゥンの赤いジジムを掲載していますので、そのテクニックと見比べて頂ければ、これが似通っているのがお分かり頂けると思います。 ただ、これは几帳面な面影のキリムの中に、ノマディクなアイドゥンが同居しているのが不思議なところ。 もしかすると、そのヒントはエシュメにあるのかもしれません。 この張りつめたキリムの織りはエシュメの様に感じますから、アイドゥンからエシュメ、又は、エシュメからアイドゥンへと嫁入りした娘さんの作品なのではないでしょうか? そうすれば、ほぼ全ての話の筋が通ります。 ミフラブトップの右側に描かれた少しリアル目は、定番の菱形の目よりも現実的に邪悪な物の侵入を拒む魔除けです。 そう言えば、その上のピンクの目の模様も同様です。 画像からも伺える通り、ピンと張った織り地で、よくぞこれにジジムを織り込んだものだと感心します。 |
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