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om979 オブルク・キリム |
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オブルクを代表する羊の角模様のキリム。 経緯は分かりませんが、オブルクではこのような大ぶりなキリムが好まれ、割と多く産出されていました。 ただ、その多くは典型的なミフラブ模様のもの。 この羊の角模様もお祈り用であった可能性はありますが、幸い、全く方向性を問いません。 また、この手のオブルクをご存知の方でしたら、少し厚手のタイプを想像されるかもしれません。 確かに、ラクダの毛や無染色のウールを多用した遊牧民的な味わいの物は、そういう傾向にありますが、これは、精巧で緻密なタイプのオブルクの味わいに近く、やや薄手になります。 やや薄手程度なので、薄くなったとは言っても、織りの目が細かくなっていますから、強度の面では変わりが無いばかりか、少し強くなったくらい。 外側のボーダーには、「ヤイラ」と呼ばれ、割と標高の高い山間部に住む人たちによって織られたキリムに見られる菱形の目の模様、時には薔薇、つまり、高原の薔薇とも言われます。 境界線には、オブルクらしい律儀な櫛が入ります。 そして、全体に渡って見られる色むらは、全てがオリジナルのもの。 手に取ってよく見ると、別の機会に染めたと思われる糸質の違う糸までがミックスされていて、意図して色むらを織り込んだ事が伺えます。 全てが草木からの天然色ではありませんが、赤色は茜類からの染め、緑色は葉からの直接染めのようで、悪い色合いはありません。 デザイン的には、他のアナトリアのキリムと少し違い、空虚なスペースをそのままに生かしたタイプ、これは昔からそうです。 しかし、シンプルな羊の角に、網の目の様なジジムが入っている所は、この織り手がここだけは模様無しで放置することを嫌い、何かしら工夫を凝らした様子。 上端の房はループ状になっていて、これがオリジナルの姿そのままです。 このインパクトある図柄は、離れてみてもそれと識別できますから、リビング等に敷くと結構独特の雰囲気が出ます。 |
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