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om953 ブルガリア・キリム |
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ブルガリア産、シャルキョイタイプのキリム。 このキリムもチプロフツィを起源とするスタイル、かつてブルガリアン・シャルキョイと呼ばれたキリムのデザインを今に伝えるもの。 このデザインも、元々は、お祈り用のキリムのスタイルから派生したと思われ、ミフラブ状と考えるなら上下逆さ、普通に木が生える姿をイメージするなら、画像の通りになります。 撮影に際し、両方の方向で試した所、こちらの方向がよりしっくり落ち着きました。 このキリムの特徴として、同じブルガリアン・シャルキョイでも、よりブルガリア色が強いデザイン性が感じられます。 それが顕著なのが、ボーダー部。 ピロットは無論、チプロフスキーでも大半はボーダーに羊の角が置かれますが、こちらは鳥模様、同じ物がマナストゥルのキリムに見られる事があります。 この小さく設けられた鳥模様のお陰で広くなった赤いフィールドには、枝葉が天に向かって広がる生命の木。 これ自体は、ブルガリアン・シャルキョイやマナストゥルに共通の表現方法、しかし、生命の木の描き方はピロット譲り。 これも、いろいろな文化が入り交じっているチプロフツィならでは。 同じブルガリア産のキリムとして見た時、デザインと色合い程度の違いかもしれません。 しかし、その僅かな違いが全体としては大きな違いなって現れ、この様に見栄えのする美しいキリムに仕上がるのです。 遠目には解らなくても、近くで見ると至る所に色むらが仕組まれている事が分かり、織り手の密かな職人魂に感心します。 フィールドの隙間を埋めるべく、よく考えられたデザイン構成といい、ずっと見ていて飽きる事がありません。 |
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