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om957 ピロット・キリム |
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こちらがセルビア産、本家本元のピロット。 見比べればブルガリア産との違いは明らか、精巧に同じ模様を繰り返しているのはブルガリア産、デザインに自由度があって、大らかな感じがするのがピロット。 全てのピロットがこういう訳ではありませんが、相対的にそのような傾向があります。 色柄で言えば、ブルガリア産に特徴的な赤い外縁部は黒に変わり、白いボーダー背面とのコントラストが際立ちます。 白と言っても真っ白ではなく、ほんのり生成の様な乳白色で、いわゆるバルカンシープの毛並み。 その黒と白の組み合わせの単調さに負けじと奮発しているのが、非常に彩り豊かな羊の角。 そして、フィールドの箪笥模様はピロットのスタイル、でもこれはその模様の組み合わせを変えています。 上下の箪笥に組み込まれた六角形の星模様は、普段、ブルガリア・ピロット共に単体でお同じ模様が繰り返し使われるもの。 一般的なピロットとは違い、異質な模様の組み合わせが見られる所がこのピロットのユニークさ、双方の文化が入り交じったこのキリムならではの特徴でしょう。 そして、フィールドに占める箪笥模様の面積が大きくなった分、箪笥模様同士の間が狭くなり、ここには大抵、鉄アレイの様な形の羊の角が置かれます。 また、形式的な特徴として、様々な模様を取り込んだ意欲的/欲張りな図柄となった為でしょうか、他の箪笥模様のピロットと比べ、やや幅広なキリムになっています。 細長い形がやや多めのピロットとしては、これも少し変わっている所。 経糸に使われているウールは、コットンに比べ柔軟性が低いので、織り上げるのが難しい反面、出来上がったキリム自体は薄くても丈夫に仕上がる昔ながらの手法です。 なお、これらピロットも、セルビアでは“PIROTSKI”、つまりピロット生まれのキリムと呼ばれます。 |
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