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S309 フェティエ・ソフラ |
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フェティエのソフラ。 ただ、お馴染みのフェティエとはデザインが異なります。 細かい所まで見れば、プトラック等のジジムの形も縞模様キリムのそれと微妙に違います。 このソフラは、縞々キリムとは別の、このボーダー模様と同じジジムを産出していた地域で織られたのではないかと考えます。 広いムーラ県の中でフェティエは南部の一都市に過ぎませんが、他の沿岸部ではトロス山脈から延びる山々が海岸線近くまで迫り出している為、山裾に開けた土地があり、入り江があって船舶の停泊に適した港町は恐らくここだけ。 それ故に、古くから交易で栄えてきました。 そういった経緯もあって、近隣の村々に限らず遠方で織られたものまでが運ばれてきた為、ありとあらゆるものがフェティエの名で呼ばれているのだと思います。 この面白い点は、それらいくつかの要素がミックスしている所。 普段から織り慣れている流水模様は精巧に織り込まれているのとは対照的に、フィールド模様は躍っているようです。 このジジムは、思いつくままに織り進めたせいだと思います。 仮に、これがもう少し整った形で織られていたとしたら、果たして、どう感じるでしょう。 少なくとも、この様なボーダーとのアンバランスさがもたらす面白さには欠けるでしょう。 やはり、意図して「ゆらぎ」を演出、織り進めながら「こんな感じでどうかしら?」と思う心があったのだと思います。 少し距離を置いて見ると、このフィールドのランダムさの所為か、中央に置かれた大黒柱に自然と視線が向かい、そして、大きな「目」の模様に引き寄せられます。 それも、ランダムなギザギザ付き模様とする事で、より威力を増しているように感じます。 四方は四角い流水模様でブロックされ、中央には近寄り難い目の模様が鎮座し、その隙間にも流水のジグザグとした流れがノコギリの歯のような視覚的効果をもたらします。 制作者である遊牧民の末裔は、空に何か邪悪な物が漂っていると考えます。 ですから、このソフラの上で生活する人を守る為にもこの様な威嚇的な模様を選んだのでしょう。 赤い背面は天然色が使われ、近寄ると色むらが分かります。 こちらも明るい太陽光の下での撮影の為、白が強調された感じになっていますが、全体的にもう少し暗めで、茜色の赤は更にもう1トーン暗い色調です。 一瞬、稚拙な仕事ぶりの様に見せながらも、キリムの仕事は手が込んでおり、キリムそのものも微妙に薄く、良く出来ている中々の力作です。 |
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