キリムの店*キリムアートアトリエ |
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S312 ベルガマ・キリム |
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ベルガマのチュアルの表面。 「ペルガモン」遺跡でも知られる現在のベルガマは、港湾都市イズミル県の北部にあります。 イズミルは首都アンカラと並ぶ大都市です。 しかし、その北部の山間合いの土地には、かつて遊牧民が居住していた地域が存在します。 アナトリア各地を転々と移動してきた彼らが、最後に辿り着いたのがこの地だったのでしょう。 また、偶々、放牧に適していた土地が見つかった事に加え、これ以上移動しても、他に住む場所が無いと悟ったのでしょう。 ユンジュやコザック、隣のバリケシルのヤージュベディルといい、オールウールで織られるこの地のキリムや絨毯は品質が高い事で知られています。 遊牧民である彼らにとって、穀物の収納袋を作るくらい造作もない事だったでしょう。 これは、デザイン的にはベルガマながら、少しユンジュっぽさも感じられ、その流れを汲むものでしょう。 デザインは精巧で、キリムは整ってやや薄手ですが、細い糸で織られてチュアルとして使えるだけの耐久性を出しています。 ジジムで織り込まれているのは、サソリとドラゴンの足跡と呼ばれるパターンの繰り返し、一目見て直ぐ、魔除けのパターンである事が分かります。 図柄的にはやや重苦しい雰囲気になるところ、上下に織り込まれたお馴染みの髪飾りの模様が入り、一部、配色を変える事でチャーミングな面持ちにしてくれています。 所々で規則性はやや疎かとなり、部位毎に変化が見られるのが楽しい所。 経糸も左の端だけ色が違います。 色合いについては、暗めの色調です。 それを屋外で撮影していますから、室内で見るより全体的に明るく映し出されています。 こうする事で、黒と濃紺が交互に使われている所等、個々の色合いが識別できるメリットがあるからです。 青い縞は、藍染の末期の色合いだと思います。 オレンジ色の内、より鮮やかな色彩の方は、茜の触媒を変えて染め上げたものです。 もう一つのオレンジは、二番染めで淡くなったもののように見えますが、定かでありません。 薄い緑色も同じで、好意的に見れば葉からの直接染めですし、単に化学染料と言う見方もできます。 ベルガマ/ユンジュ系は割と小振りなチュアルが多い中で。これは大き目なので、割と用途を広くお使い頂けると思います。 |
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