キリムの店*キリムアートアトリエ |
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ハタイ・レイハンルの古いジジム。 ご存じの通り、これはガジャリベースの上に装飾を入れていくタイプ。 先ず先に長い経糸を張った上で、緯糸と同時にジジムを織り込んでいきます。 この手法では、質素な織り機でも、糸を継ぎ足す事で長さはいくらでも長く出来るメリットがあり、歪みも僅かです。 反面、織り手が座ったまま、手の届く範囲で織り進めるため、幅のあるキリムが織れないのが欠点。 それ故、幅が狭い、長いサイズのジジムを制作するには適しています。 そして、ベースになるキリムの色彩は、こうして、色の違うキリムをつなぎ合わせる事で、華やかさを演出する頃が出来ます。 但し、これは特別な注文を受けて制作した品物ですから、必要以上にキリムの幅を狭く設定し、豪華さを演出しています。 この色の組み合わせは、モスクの床面を再現したのだと思います。 多くのモスクのアーチ状の構造物は、赤と白の組み合わせ、床面も赤と白のラインが引かれる事が多く、そこに付加されるのが青色です。 緑色は神聖な色合いなので、憚られます。 用途は、長椅子の上に敷く為のもので、これがオリジナルサイズです。 両端の色合いと模様は違いますが、よく見ると左右共に同じ太巻き篝が入っています。 最初、私はこれが半分サイズだと思っていたので、他のキリム屋に意見を求めました。 彼らは、他人の販売する品物の悪口を言うのが得意だからです。 しかし、誰もがオリジナルだと言うので困りました。 確認した人の大半がマラティア出身、実際に、長椅子のある中で生活してきた人たちが言う事は一理あります。 彼らが言うには、ペアでもう一枚、制作された可能性はあるが、これはこれでオリジナルだと。 そう考えると、このジジムが敷かれていたのはお祈りをする場所にある長椅子です。 モスクの可能性もあります。 若しくは、ハタイ地方の将軍か豪商の邸宅にあったであろう、巨大なお祈り場か神聖な場所。 だとすると、壁際には最低でも3か所に長椅子がありますから、ペアでもう一つ制作された可能性があるという事です。 これの年代と品質については、既に掲載済みのハタイとほぼ同等と思いますが、使い込まれている割に色合いも濃厚で、気持ち薄手に感じます。 少し古いようにも感じます。 コンディション面ではご覧の通り、一切の修理を行っていません。 至る所に小さな破損がありますが、大きく裂けているのではありません。 長椅子の上で使っていたので、足で踏んで壊れたというより、大半がひっかき傷で、一部は、このジジムを固定していた事に由来するものの様です。 仮に、同程度の古いジジムの端切れでも出てくれば、修理する事も考えるでしょうが、修理するにも薄すぎてこれに使える糸はありません。 色合いでは、中東で最初にコチニールが上陸したハタイらしい、鮮烈な赤。 青色もどう表現したらいいのでしょう、落ち着いて、清涼感のある青色で、それこそ、写真で見るモスクの床面と同じです。 古い年代の証であるなすび色もハッキリと現れており、緑色は複数のタイプがあり、黄色交じりの方は、随分と黄色が見て取れるムラの多さが魅力でもあります。 また、6枚のパネルの接合部を美しく見せる工夫といい、当時考えられる最善の細工を施してあります。 最後の画像は裏面のもので、表より濃厚な事もあり、美しい天然色のオンパレードが楽しめます。 |
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